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ねことヘアピン

唯梓SS中心に自由気ままに綴るブログです。

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【はつちゅー! @後編2】

【はつちゅー! @後編2】



「お、終わりじゃ…ないよ…」



私は勢い良く梓ちゃんの唇を奪う。

少しがっつき過ぎてしまったが、彼女は私の事を受け入れてくれた。



「んちゅ…ちゅっ…ちゅっ、ちゅぱっ、んっ…ちゅっ…」




「んふっ…ちゅ…ちゅぱっ…んむっ…んちゅっ」




強弱を付けながら、何度も彼女の唇にキスを落とす。

時に優しく触れて唇の感触を楽しみ、時に啄む様に軽く吸い付き彼女の味を堪能する。

彼女の唇は私の想像通りとても甘い味がした。

でも夢や想像なんか目じゃないぐらい、本物の梓ちゃんの唇は美味しくて…気持ちが良くて…。

こんなの知ってしまったら、私はもう彼女から離れることができない。




「んっ…好き…んちゅっ…あずにゃん大好き…ちゅ、ちゅ、ちゅっ…」



「…私も、んむっ…ちゅぱっ、…大好きですせんぱい…んむっ…ちゅっ、ちゅっ…」




私達は互いにキスをし合いながら愛を再確認する。

彼女の愛の言葉と熱いキスに、私の心は最高潮になる。



キスをし合っている内に、何時の間にか梓ちゃんの腕は、私の首の後ろにまわされていた。


私はキスをしながら彼女の身体を少し持ち上げてソファーの近くまで運び、体重を掛けて押し倒す。



「んっ…んむっ…はっ、はっ、んむっ…はむっ…ちゅぱっ…」



「んちゅっ…はっ…はっ、あっ、んむっ…んんっ、あふっ、んっ…ぷあっ、んっ」



身体を押し付けて、情熱的に蕩けるようなキスをする。
彼女が時折口から吐く甘い息と色っぽい声に、何だかお腹の下辺りの場所がジンジンとしてきた。



(あずにゃん…あずにゃん…あずにゃん…)



「ぢゅるっ…ちゅっちゅっ、ちゅぱっ…ふあっ、はぁっはぁっ、んちゅっ、はむっ…ちゅーっ」




「ちゅっ、ちゅっ、んあっ…はぁっはっ、せんぱ、んむっ…んふっ、んんっ…」



私は鼻息を荒くして梓ちゃんの甘い唇に貪りつく。


(熱い…。身体が熱いよぅ…)


おしっこが出る所がさっきからビクビクと疼いている。尿意とはまた違うような…?

でも最悪おしっこだったら、こんな所で出してしまったらヤバい。

私は股を彼女の身体に押し付けて疼きに耐えながら、彼女の唇に強く吸い付く。



「ぢゅーっ!ぢゅっ!ぢゅっ!…ちゅぽん……はぁ…はぁ…」



「んむーっ!んっ、じゅるっ!…んふっ…ちゅぱっ…はっ、はぁっ…」



思い存分彼女の唇を堪能した私は、やっと彼女から顔を離した。

息を整えながら梓ちゃんの顔を見つめる。

彼女の唇は、私の唾液でテラテラと厭らしく輝いていた。
梓ちゃんは頬を赤く高揚させて、とろ~んとした目で私の事を見つめ返してくる。


そんな彼女の表情に私の身体はさらに激しくゾクゾクと疼きだした。


私は欲望に身を任せて手をモゾモゾと動かす。



「はぁ…はぁ…もっとあずにゃんの色んな所にキスしたいよぅ…」



耳元で息を吹きかけながら囁くと、彼女は意識を取り戻したのかワタワタと焦り始めた。


私は彼女のセーターを胸の辺りまで捲り上げて、ブラウスのボタンを外しに掛かる。



「ゆ、ゆい先輩、駄目ですっ…」



「駄目」と言いながら私の肩を押す梓ちゃんの力は、やんわりとしていて全然利かない。


私はボタンを外す時間さえもどかしくて、第四ボタンまで外し終えるといよいよブラウスを開帳させる。



「やっ…!?」



何をしようとしているか気付いた梓ちゃんは、手を伸ばし私を止めようとするがもう遅い。


彼女のお腹が私の目の前に広がる。


梓ちゃんのお腹は、絹の様に真っ白としていて、赤ちゃんの様な産毛が少し生えていた。



「あずにゃんのお腹…可愛い…。んちゅっ…んっ…」



「あっ、駄目…唯せんぱ、あぁっ…」



彼女のお腹に何度も口付ける。
唇を押し付けるたびに、梓ちゃんは身体をくねらせていてとても可愛い。

私がお腹にキスをしながら残りのボタンを外しに掛かろうとしたその時、ドアが「バターン!」と凄まじい音を立てて開いた。



「「…え!?」」



私達は一斉にドアに目を向ける。




「待たせたな!律っちゃん登じょ…」



変なポーズを決めたまま固まる律っちゃん。


ソファーで梓ちゃんを押し倒し、今まさにブラウスを脱がそうとしている私。



私に襲われるがままになっている梓ちゃん。



誰もピクリとも動かない。



この空間だけ時間が止まった様な気がした。




「律?どうし…」




「あらあらあら」




律っちゃんの後ろにいたのか、澪ちゃんとムギちゃんも部室に入ってくる。

でも澪ちゃんはこの部屋で繰り広げられている光景を見た瞬間、走って逃げ去ってしまった。



「…失礼しました」




律っちゃんもやっと動いたかと思いきや、礼儀正しく一礼をすると、ニコニコと私達を観察しているムギちゃんを引っ張って部屋から出て行ってしまった。




部屋の中が再び静寂に包まれる。




「ぁ…ぇ…?あ……ぃゃ…や…」




いきなりの事態に梓ちゃんは頭を抱えて顔を左右に振っている。
軽くパニック状態みたいだ。




「お…落ち着いてあずにゃ…」




私は落ち着いてもらうために彼女の顔を覗き込み声を掛けた。




「いやあああああああああああああああぁぁ!!」




彼女の叫びと共に、突然私の頭に何かが振り下ろされる。



ガツンと言う鈍い音が頭の中で響き、私の意識はそこで失くなった。













……





次に気がついた時には、私は保健室にいた。

一体何故…私はこんな所に…。



私はむくりと身体を起こす。
部屋の中をキョロキョロと見渡すが、誰も居ないみたいだ。


さっきまでの彼女との甘い情事は…もしかして…夢…?



(そ、そんなわけ…)



私はベッドの上で放心する。


するとその時、誰かがベッドのカーテンの隙間からひょこっと顔を出した。



「唯先輩!起きたんですね…良かった…」



それは紛れもなく、他の誰でもなく、私の可愛い彼女の、中野梓ちゃんだった。
梓ちゃんは私が起きた事にホッとすると、怖ず怖ずとこっちに近付いて来た。



「すみません…また私…先輩の事…」



目を伏せて申し訳無さそうに謝る彼女。
私は色々思い出してきた。


(みんなに見られて…梓ちゃんが混乱して…鈍い音がして…そっか…私、梓ちゃんに頭、チョップされたんだ…)



思い出した途端、少し頭がズキズキしてきた。



「…でも先輩も悪いです…。先輩方に言い訳するの大変だったんですからね」



梓ちゃんはそう言うと、真っ赤な頬を膨らませながら私を睨む。



(良かった…夢じゃなかったんだ…)



私は彼女とキスをした事を実感する。
今の私は口元がニヤニヤと緩んでいるだろう。



「私は別に付き合ってる事みんなに言っても良いんだけどなぁ~」



「駄目です!律先輩に知られても見て下さい!大変な事に...」



のんきにそう言うと、梓ちゃんはガミガミと怒り出してしまった。
キンキンと声が頭に響くので、私はベッドに寝っ転がり彼女に背を向ける。



「それに…」



ガミガミと愚痴っていた彼女が、突然何かを言いかけて躊躇った。



「…ん?」



私は顔を彼女の方に向ける。




「それに…付き合ってる事は…まだ…ふ、二人だけの秘密にしときたいんです…」





そう言うと、梓ちゃんは顔を茹で蛸みたいに真っ赤っかにさせ俯いてしまった。
俯いたって寝ている私の方からだとバッチリその可愛い顔が見えるんだけどね。





「…んっ」




私は寝っ転がったまま顎を少し上げ、未だに頭から湯気を出している彼女に唇を突き出す。




「…?何ですか?」



「ん~」



次にちょんちょんと人差し指で自分の唇を指す。




「!」



私のしたい事がやっと分かったみたいで、梓ちゃんの顔はさらに真っ赤になった。




「ん~♪」




「………はぁ…、唯先輩は甘やかすとすぐこうなんだから…」




梓ちゃんは肩の力を抜いてため息をつくと、私の顔を見下ろしながら覗き込んできた。


彼女の長い髪が顔に当たって少しくすぐったい。


するとだんだんと彼女の顔が迫ってきたので、私は目を閉じる。




「唯先輩」



「…ん?」



呼ばれたので私は一回閉じた目をもう一度開けた。


開けた瞬間、ブワッと私の視界に彼女の顔が広がる。


その顔は、私の大好きな笑顔だった。




「好きです」






―ちゅっ

















それからの私達のお付き合いはとても順調だ。


次の日に律っちゃんやムギちゃんにすごい勢いで問い詰められたけど、その場凌ぎで色々嘘を付き何とか誤魔化した。


でもムギちゃんはまだ納得していないみたいで、今でもチラチラと私達を観察している。


あずにゃんごめんなさい…なんだかそろそろバレてしまいそうです…。


そういえば、あんなに疼いていた身体の火照りは何時の間にか収まってました。


一体何だったんだろ?






fin…?♪





ここまで読んで下さりありがとうございます!
「週末までには~」とか言った癖に間に合いませんでした!すみませんでした!
前編で唯ちゃんが少し可哀想だったので、後編では幸せに…!と思いながら書いたらこんな事に…。
後続きが少し書きたいのでfin?とかにしちゃいましたw


ではでは!次の作品は18禁…(^ω^)ジュルリ

| 【はつちゅー!】 | 00:14 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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【はつちゅー!@後編1】

【はつちゅー!@後編1】




次の日の朝。


鏡に映っている自分は酷い顔をしていた。
目の周りが真っ赤になっていて、まぶたはパンパンに腫れ上がっている。
かみすぎて赤くなってしまった鼻は、まるでトナカイみたいだ。



(学校行きたくない…)



でも考えている事とは正反対に、私はパジャマを脱ぎ支度をし始める。
こんな顔でも『学校には行かなきゃ駄目』と私の脳は身体の神経に命令するのだ。



彼女が昨日帰り際に『また明日学校で』って言ってたのもあるけど、なにより…私が一日でも多く梓ちゃんに会いたいから。



休日に数日会えなかっただけでも彼女の事が恋しくて胸が苦しくなるのに、学校まで休んでしまったら自分で自分の首を絞める様なものだ。


私はいつの間にか重度な梓ちゃん中毒になってしまっていた。



(私だけがこんなに好きなのかな…)



こんなにも梓ちゃんの事を想っている自分に胸が切なくなり、私の眼にはまたジワッと涙が浮かんでくる。



(泣いちゃ駄目だよ唯。これ以上酷い顔にしてどうするの)



私は顔を天井に向け、クンッと息を吸い、眼から零れ落ちそうな涙を飲み込んだ。










こんな顔をしているせいか、学校に着くなり、クラスの皆にすごく心配をされてしまった。


まさか本当の事を話す訳にもいかないので、『どうしたの?』と聞かれたら『昨日泣ける映画見ちゃったんだ~』と嘘を付いて、私はいつもみたいにへらへらと笑って誤魔化した。


でもけいおん部のみんなは、私の嘘に薄々気付いているみたいだった。
有り難い事に深くは追求してこなかったけど。



そして授業も終わり、今は放課後。
他の皆は掃除当番らしいので、私は先に部室に行く事にする。


いつもなら待ちに待った部活の時間なのに、今日はなんだか気が重たい。



(…それも、この顔のせい…)



部室に向かう途中に私はトイレに入り、自分の顔を確認する。
私の顔は朝よりは大分マシになっていた。



(マシにはなったけど…うーん…これは気付くよなぁ…)



私はトイレを後にし、梓ちゃんに聞かれたらどう対処しようとか考えながら階段を上る。




(映画…たまねぎ…うーん………あっ)



色々考えながら階段を上っていたから気付かなかったが、既に私は音楽準備室のドアの前まで来ていた。

結局、考えがまとまる前に部室に着いてしまったみたいだ。




(あずにゃん…もう来てるかな…)




私はドアを見つめながら彼女の事を想像する。

梓ちゃんに会えると思うだけで、私の鼓動はドキドキと速まってきた。

私は不安半分、期待半分な気持ちで音楽室のドアを開ける。





―私の期待通り、既に梓ちゃんは来ていた。



「あ、唯先輩こんにち……どうしたんですか…その顔」



彼女はクルッと顔をこちらに向け、訪問者が私だと気付くと挨拶を掛けてくれたが、私の顔を見た途端に驚いた様に目を見開いてしまった。



「な、なんでもないよ~」



彼女にこんな酷い顔をあまり見られたくなくて、私はへらへらと笑いながら俯く。



何時まで見られてるかわからない私は、顔を上げる勇気がなくて地面とにらめっこをする。



すると、コトコトと小さな足音がこっちに近付いて来て、私が見つめている地面の中に梓ちゃんの上履きが入ってきた。




「何でもないって…あ、少し失礼します」




彼女は私にそう一声掛けると、手を伸ばしてまだ俯いている私の髪の毛に触れてきた。




―ドクンッ



髪を触れられた瞬間、私の心臓にドクンと熱い血液が流れ込む。




―ドクッドクッドクッ...



ドクドクと流れ込んでくる血液は、まるでどどまる事を知らないみたいだ。



私はうまく思考が回らない顔を上げ、梓ちゃんを見る。



彼女は私の髪を弄りながら、真剣な顔でジッと頭の一カ所を見つめていた。



たぷたぷに溢れるぐらい溜まってしまった心臓の血液が、次は全身に巡りわたり始める。



血液が全身に隈なく流れてくれたお陰で、身体がぽかぽかに温まり、指先がピクリと動いた。




(…キス…したい)



それをするのがさも当たり前かの様に、私の顔は梓ちゃんに引き寄せられていった。




(……………ッ!)




互いの顔が近付き、彼女の匂いをダイレクトに感じた私は途端に正気に戻る。


自分の浅はかな行動に驚きながらも、私は慌てて彼女の手をバッと振り払った。



「なかなかゴミが取れな……いたっ!…せ、せんぱい?」



「さ、触んないで…」



「え…?」



私は一歩離れて彼女から目を逸らす。


胸がズキズキと痛い。
きっと自分の気持ちに嘘を付いているから。
本当は、本当はもっと…もっと、彼女に触れてほしいと願っている。



でも…でも…―




「先輩…それってどういう意味ですか…?」




彼女の震える声に私は顔を合わせると、梓ちゃんは傷付いた顔をして私の事を見ていた。

こんな顔させたくないのに…。

私は彼女に返す言葉が見つからなくて黙ってしまう。



梓ちゃんは私の無視な反応に身体を震わせながら、途切れ途切れに声を出した。



「私の事…き、嫌いに…なったんです、か…っ?」




「違うよ!!!!」



私はまず自分自身の声の大きさに驚いた。
思いの外、大きい声を出してしまったみたいだ。
私の声の反響が部屋の中でキーンッ....と響く。



私は不安になりながらも彼女の目を見る。
私を見つめる梓ちゃんの瞳は、怯え揺れていた。



私が…彼女を怯えさせてしまったんだ…。



私は大きく息を吸いながら口を開いた。



「怒鳴ったりしてごめんね…違うの…私、あずにゃんが大好きだよ。
でも…私に近付くと危ないんだ。
今だって…あずにゃんに髪触られただけで、私、すごい意識してた。…また無理やりあずにゃんにキスしそうになったの…。
あずにゃんは…そういう事あまり望んでないみたいだし…その…昨日だって…。
私、もっともっとあずにゃんの色々な事知りたい…。でも嫌な事して嫌われたくないんだ…」



頭の中でゴチャゴチャになっていた想いを一気に口から吐き出す。

梓ちゃんの顔を見ようしたら、視界がぼやけていて見ることが出来ない。
急に目の奥がカァーッと熱くなる。
瞬きをすると、ジワリと目の端から涙が零れ落ちた。


私は泣いてしまっていた。



「唯先輩…」



涙は次から次へと溢れ出てくる。
私はそれを拭く事さえ出来なく、ただただ地面に小さな水溜りを作り続ける。


立ち尽くして泣いている私に、梓ちゃんはゆっくりと近付いて来た。



「先輩がこんなになるまで思い悩んでいたなんて…ごめんなさい…。この顔も、私のせいなんですよね…」



彼女はそう言うと小さな手を私の顔の前まで持ってきて、頬に流れ落ちている涙を指で拭き取ってくれた。
すると、さっきまで止まらなかった涙が不思議なぐらいピタリと止まった。


「私、怖かったんです。先輩と…その…キスしたら、先輩との今の関係が崩れてしまう様な…自分自身が変わってしまう気がして怖かったんです…。
何があったって唯先輩は唯先輩なのに…私が臆病なせいで先輩の事振り回して傷付けて…それにこの間はぶったりしてすみませんでした」



梓ちゃんは謝りながら私の頬を優しく撫でると、困った様に微笑んだ。



その愛苦しい彼女の笑顔に、私の心はギューッと鷲掴みされる。



「だ、だめだよ…あずにゃん離して…。私、またキスしたくなっちゃう…」



私は彼女の腕に手を添えて少し力を入れる。

彼女に触れられている頬、触れている手のひらが熱い。



「……いですよ」



彼女は私の頬から手を離さないまま何か呟いた。



「…え…?」




よく聞こえなかった私は聞き返す。




「だから…していいですよ、キス」




「…え…え…今、なんと…?」




彼女の魅惑的な言葉に私の頭は混乱する。




(キスしていい…キスしていい…キスしていいって…キスって何だっけ?)




「…キス、して下さい…唯先輩…」



梓ちゃんは呆けている私の頬を撫で、耳元で甘く囁いてきた。
何処かにトリップしていた私の意識が一気に戻ってくる。



「ほ、ほ、ほんとに…!?キスしてもいいの…!?」




「はい」




「ほんとのほんとに?」




「…はい」




「ほんとのほんとのほんとに?」




「ほんとのほんとのほんとにです!しつこいですよ」



私のあまりの執着さに、梓ちゃんはフーッ!と猫みたいに怒ってしまった。
でも頬はリンゴの様に赤く、とても可愛らしい。




「あ、あずにゃん…本当に後悔しない?…私、もうビンタは嫌だよぅ…」




私はいきなりのご褒美に、何か罠があるんじゃないかと考えてしまう。
あのビンタは結構心にも身体にもキタからなぁ…。



すると梓ちゃんは何か思い出したように喋りだした。



「あ…私、昔からびっくりすると、まず手が出ちゃうみたいなんです…。ごめんなさい、もうビンタはしませんから…」



彼女はそう私に謝ると、シュン...と小さくなってしまった。
口より先に手が出ちゃう癖は、直そうと思ってもすぐ直るものではない。



(でもそんな攻撃的な所も好きだったり…)




私は彼女に『これがええのんか~』と頬をペチペチされている自分を妄想していたら、梓ちゃんは続けて喋りだした。




「それに…わ、私も…唯先輩の事、ちゃんと、好きですから…もっと唯先輩の事知りたいんです…後悔なんて絶対しないです!」




そう言うと梓ちゃんは、真剣な瞳で私の事を真っ直ぐ見つめた。


私は口をぽかーんと開け彼女を見つめ返す。


あんぐりと開けた口からは「あ、あ、あ、」と声が漏れている。



「あ、あ、あ、あずにゃん!!」



私はあまりの嬉しさに、ガバッと彼女の身体に飛びついた。
そして背中に腕をまわして強くギュッと抱きしめる。


久しぶりに感じる彼女の心地良い体温、甘い匂い、柔らかい感触。
私の心が、身体が、彼女の全てで満たされていく。


梓ちゃんの背丈は私より少し低いから、顔が丁度私の胸に埋もれるような抱きしめ方になる。


そのため呼吸が上手くできないのか、梓ちゃんが「ぅぅ…」と苦しそうな呻き声を出した。


私は彼女の顔が見たくて、強く抱きしめている腕の力を少し緩める。


2人の間に少し空間が出来た事により、肩で呼吸をし始めた梓ちゃんの顔は耳まで真っ赤になっていた。



「あずにゃん…」



「…ゆい、せん、ぱい…」



途切れ途切れに私の名前を呼ぶ彼女の呼吸は乱れている。

彼女が息を吐くたびに、むあっと甘い匂いが鼻の中に入り、私の頭の中はくらくらしてきた。



(愛おしい)



私は気持ちを込めて彼女の瞳に熱い視線を送る。


すると私の想いが通じたのか、梓ちゃんは少し目を伏せて顎を上げて瞼を閉じた。


きつく目を閉じ、頬を赤らめながら私を待つ梓ちゃん。


私はそんな彼女の表情に惚れ惚れとしてしまう。


体中の神経を唇一点だけに集中させ、ゆっくりと彼女の顔に近付けていく。




―そして遂に、私達の唇と唇は合わさった。



「ちゅ…」



「んっ…」



(ん!?や、柔らか…!!)



あまりの唇の柔らかさに、私は思わず梓ちゃんから顔を離してしまった。


まだ唇には彼女の感触が残っている。


私がポケーっと余韻に浸っていると、彼女は目を開け、残念そうな顔をして私の事を上目遣いで見つめてきた。



「…もう…終わり…ですか?」



グサッっと彼女の言葉が私の心臓に突き刺さる。


私の理性は遥か遠くの方へ吹き飛んでしまった。



(そ、そんな顔されたら…私…)



も、もう我慢できない。



「お、終わりじゃ…ないよ…」




【はつちゅー! @後編2】へ続きます。

| 【はつちゅー!】 | 00:09 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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【はつちゅー!@前編2】

【はつちゅー! @前編2】







今現在のゲーム途中経過は【2:0】


もちろん2セットとも私が取っている。



「つ、強い…!」



「ふっふっふ…舐めてもらっちゃ困るよ。やっぱ手加減してあげた方がいいかなぁ~?」



現実での運動は苦手だけど、このゲームは憂とかなりやったからかなり自信があるのだ。
この勝負、梓ちゃんには悪いけど最初から勝ったようなもんなんだよ!



私は勝利と言う名の、“梓ちゃんとキス”を確実に掴んだと確信して、ニヤニヤとにやける。


すると、梓ちゃんはコントローラーをテーブルに置き、いきなり上に羽織っている薄手のパーカーを脱ぎだした。



「な、何で脱いでるの!?」



私はそんな彼女の行動にギョッとする。



「え?いや、これやってたらちょっと暑くなっちゃって…よいしょっと…。ふぅ…お待たせしました!ここから挽回していきますよ!これからです!」



梓ちゃんは再びコントローラーを握り「むん!」と気合いを入れた。



(ゲームで本気になっちゃってるあずにゃん可愛い…。それに…に、二の腕が…!あずにゃんの二の腕が目の前に…!目に毒すぎる…!)



そう。
彼女のパーカーの中は半袖だったのだ。
まさかこんなに早く梓ちゃんの二の腕を拝めるとは…。
衣替えするまで見れないよなぁとか思っていたから、二の腕耐久が準備されていない私の心臓はドッキンドッキンとびっくらこいている。


そして中断されていたゲームが再び再開した。


しかし私はゲーム中にも関わらず、梓ちゃんの方をチラチラと見ている。
梓ちゃんがコントローラーを振るたびに、彼女の白くて細くて丁度良い肉つきの二の腕が僅かにぷるっと揺れる。
半袖の花柄のシャツもフワっとなって…。



(あ…も、もう少し…もう少しで脇の中見えそう…)




私はこのゲームの運動とは違う意味で鼻息が荒くなっていた。




「…あれ、先輩いきなり弱くなりましたね」



「…ふぇ?」



梓ちゃんの二の腕に夢中になりすぎて気付かなかったが、いつの間にかゲームは【2:2】で同点になってしまっている。



(こ、これじゃ駄目だ!折角のあずにゃんとのキス作戦が台無しに!)



私は本来の目的を思い出し、隣にある二の腕の誘惑に駆られながらゲームに集中した。




そして―――




【ゲームセット!1PWIN!】




「うっしゃああああ!私の勝ちだよ!ね?ね?」




私は思わずガッツポーズをして、ぴょんぴょんと部屋の中を飛び回る。



「ちょ、喜びすぎです!…もうっ、私の負けですよ」



「あずにゃーん…。“ルール”覚えてるよね~?」



私はニマニマとしながら梓ちゃんに確認を取る。



「はぁ…やっぱりそれですか…。良いですよ、聞きましょう。でも私にできる範囲の事にして下さいね。あんまりムチャな事は止めて下さいよ」



梓ちゃんはため息をつき、私の言う事を受け入れる体制になった。
ジッと見つめて待たれているせいで、今更ながら恥ずかしくなってしまう。



「えっと…じゃあ、あの…その…」



「??…何ですか?ハッキリして下さい」



私は息を飲み、決心して口を開く。



「あ、あずにゃんと、キスが、したいな~んちゃって~…」



やっぱり恥ずかしさが残っていたのか、語尾を少し誤魔化してしまった。



「え…」



梓ちゃんは変な語尾なんて気にならなかったみたいで、私の“言う事”を聞いた途端、耳まで真っ赤になってしまった。



「な、何言ってるですか!」



梓ちゃんは頭から湯気が出そうなぐらい顔を真っ赤にさせ、声を荒らげる。



「だ、だから…あずにゃんとキス…」



「それは分かってます!…で、でも…キ、キスだなんて…」



梓ちゃんは眉を八の字にさせて困っている。
これはもう一押ししなければ。



「わ、私がゲームで勝ったんだから!あずにゃんは私の言う事一つ聞かなきゃい、いけないんだよ!」




私は手をジタバタとさせて、子供みたいに駄々をこねる。
先輩の癖に大人気ないけど、キスのためならプライドぐらい捨てるもん。


すると梓ちゃんは困った顔のまま口を開いた。



「……そ、それは…何処に…ですか?」




「ぇ…?えと…も、も、もちろん!く、唇だよ!マウストゥマウスだよ!」




「…」



「…」




二人の間に沈黙が起きる。




い、勢いに乗って言ってしまった…。
頬ぐらいならもしかしたら許してもらえたかもしれなかったのに…。



(あ、あずにゃん、怒っちゃったかな…)



さっきから梓ちゃんは俯いて黙っているから、今どんな表情をしているか分からない。
私は彼女の反応が気になりすぎてオドオドとする。



お互い沈黙のまま五分ぐらい経過した。
するとその時、梓ちゃんがやっと顔を上げ、こちらを見た。
久しぶりに見れた彼女の顔は、さっき見た時よりもさらに真っ赤っかになっていた。



「…………す、少しだけですからね!絶対直ぐに離して下さいよ!約束ですからね!」



梓ちゃんはそう言うと、眉間にシワを寄せながら私の顔の前に人差し指を立てる。
私は彼女の言葉を頭の中でリピートする。



(つまり…OKって事!?)



「ぇ…あ…う、うん!軽く!軽くちゅって!ちゅってするだけだから!約束するよ!」



私はコクコクと頷きながら、彼女の人差し指に小指を絡ませ指きりげんまんをする。



「ちゅ、ちゅーとか言わないで下さい!!」



梓ちゃんはバッと指を離し、怒った口調でそう言うとそっぽを向いてしまった。
でも彼女の顔は未だに真っ赤なままだ。



(ま、まさか上手くいくとは…)



私は目の前にある梓ちゃんの唇をじっと見つめる。
夢にまで見た…梓ちゃんの唇…。
彼女の小さな可愛い唇は、ほんのりピンク色で…。
リップを塗っているのかぷるぷると潤っている。



(美味しそう…)




梓ちゃんのジューシーな果実のような唇を見ているだけで、私の口の中にはじゅわじゅわと唾液が湧き出てくる。



「…は、はやくしてくださいよ…」



見つめていた唇がいきなり喋った。
何時までも行動しない私に、梓ちゃんは痺れを切らしたみたいだ。


私は慌てて彼女の唇から視線を外す。



「ふぇ!?あ、う、うん」



私は口の中でなみなみになっている唾液をゴクッと飲み込み、震える手で梓ちゃんの肩を掴んだ。
梓ちゃんも緊張しているのか、体が小刻みに震えている。



(震えているのは恥ずかしさから?…それとも)



私の事が恐いのだろうか。
でも、悪いけどもう後戻りは出来ない。


「じ、じゃぁ…いくよ…」


私はそう言い彼女の肩を握っている手に力を込める。



「は、はい…」



梓ちゃんは覚悟を決めたのか、ギュッと強く眼を閉じた。

私は自分の荒くなっている呼吸を抑えつつ、顔を傾けながら恐る恐る彼女の唇に顔を近付けていく。

私の鼻息が顔に当たったのか、梓ちゃんは肩をブルッと上下させて唇に少し力を入れた。

お互いの鼻息が当たるぐらいの距離になり、私は静かに目を閉じる。



そして遂に、私の唇が梓ちゃんの唇




――の感触とは別の場所に当たった。



「へ?」



「あぇ?」



私達は思わず目を開けて、お互い自分の唇を見る。


私の唇は梓ちゃんの唇ではなく、唇の端っこに当たってしまっていた。



(は、外した!?)



私は一旦梓ちゃんから唇を離し、しどろもどろ言い訳を考える。



「い、いや、今のは…練習!そう!トレーニングだよ!…だから、つ、次が本番…」



苦しい言い訳を言い終えると、私はもう一度彼女の唇に顔を近付ける。
今度は外さないように薄目で位置を確認しながら。

すると梓ちゃんは私の肩を掴み、グイッと身体を引き離した。


「だ、駄目です!これ以上されたら…私…は、恥ずかしくて死んじゃいます!」


顔を真っ赤にさせてそう言うと、梓ちゃんは俯いてしまった。



(え、え、折角のチャンスなのに!)



「お、お願いあずにゃん、もう一回だけ…く、唇にちゅって、軽くするだけだから…ね?ね?ね?」



私は目をウルウルとさせながら「ね?ね?」と梓ちゃんにお願いをする。



「何度言ったって駄目駄目です!一回って約束ですよ!…もう離れて下さい。じゃなきゃビンタしますよ」



赤い顔で私の事をキッと睨むと、梓ちゃんは手を振り上げた。



「そ、そんなぁ~!?」









「う゛ぅ…ずびっ…じゅるる゛、ひっぐ…ふぇ゛~」



あの後、私はずっと梓ちゃんに『お目目ウルウルお願い攻撃』をしたが、まったく効果なしで彼女の答えは『NO』の一択だった。
そして彼女はパッパッと支度し終えると、『また明日学校で』と言いうるうる泣いている私の事なんか置いてサッサと帰ってしまったのだ。




(あずにゃんは私とキスしたくないのかな…。もしかして私の事、実は好きじゃないんじゃ…。)




「そ、そん゛なの嫌だよ゛ぉ~!!びえ゛ぇ゛ぇ~」



私は布団を被ってわんわんと泣きじゃくる。




(…でも…あずにゃんの唇…の端。柔らかかった…)



触れた時間はほんの僅かだったけど、頭の中で鮮明に思い出せる。



梓ちゃんは小さな唇を少し突き出し、顔を真っ赤にさせながら私のキスを待っている。
そして私の唇が彼女に触れる。
彼女の肌の弾力で、私の唇がぷにっと潰れ、彼女に触れている部分だけがジワジワと熱くなる。


何か違う事に気が付いた私達は、離れてお互い目を合わせる。

その時の目を見開いた梓ちゃんは、何処か残念そうな顔をしていた……気がする。



(まぁ私の思い違いなんだろうけど…)



口の端っこであれだけ柔らかいんだったら、彼女の唇はどんなに柔らかいんだろう。
それに、どんな甘い味がするんだろう…。



私はさっき彼女に触れた唇をぺろっと舐める。



「……しょっぱ…」



自分のしょっぱい涙の味しかしない。


私は布団の中で、悶々と梓ちゃんを想い泣き苦しみながら寝ついた。







【はつちゅー!@後編へ】



後編に続きます。
まだ書き始めてもないのですが、今週末までに出来上がればいいな…と考えております。
でも今週は少し忙しいため難しいかもしれません…。
可愛い唯ちゃん!と言うより、なんだか可哀想な子になってしまいましたww

ここまで読んで下さりありがとうございました!^^
コメ、拍手ありがとうございます!
明日には必ず返信しますので…今日は寝させて下さ…いorz

| 【はつちゅー!】 | 12:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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【いつもと違うあなた @後編】

【いつもと違うあなた @後編】








練習前のティータイム。温かい紅茶に甘いケーキ。
唯先輩が淹れた紅茶は、意外にもすごく美味しくて、ケーキにも合い、私はフォークがパクパクとすすんでいた。



何かさっきからずっと視線を感じる。
ここには唯先輩しかいない訳だから、犯人は先輩だろう。
私は見つめられている事に恥ずかしく思いながら、隣に座っている先輩に声を掛けた。



「なんですか?」



「んー?美味しいー?」



ニコニコと笑いながらそう尋ねてくる。
先輩のケーキを見ると、全然減っていない。まだあまり食べていないようだった。ずっと私の事を見ていたのだろうか。
私はテーブルに視線を落とし、ケーキと紅茶を眺めた後、もう一度口を開く。



「まぁ…美味しいですけど…」



天邪鬼な私は、ついムキになって微妙な答え方をしてしまった。
本当はケーキも紅茶もものすごく美味しいのに。



(正直にすごい美味しいですって言えば良かったかな…)



自己嫌悪している私を見ながら先輩はふふっと笑い、ポッケからハンカチを取り出した。




「あずにゃんバナナケーキ好きだもんね?」




そう言いながら先輩は私の頬をハンカチで優しく拭く。




「えっ…」




(私がバナナケーキ好きなの覚えててくれてたんだ…。それを知ってて…だから先輩モンブランを…)




「ほっぺたついてたよ」



私は先輩にされるがままに頬を拭かれ、先輩はハンカチをポッケにしまうとクスクスと笑った。




「あ…ありがとうございます…」



嬉しさと恥ずかしさが入り交じって、私は何とも言えない気持ちになる。
なんだかいつもと立場が逆転している気がする。
まぁ普通の先輩と後輩だったらこれが普通なんだろうけど。
今日の唯先輩は何かいつもと雰囲気が違うため調子が狂う。



「ねぇ、あずにゃん」



「は、はい…?」



呼ばれたので私は先輩の方を見て返事をした。




「“続き”したいな」




「えっ“続き”って…?あっ!」




私が“続き”の意味を思い出した瞬間「ガタッ」とイスが鳴る。
いつの間にか私は座ったまま、先輩に肩ごと抱き寄せられていた。
いきなりの先輩の行動に、私は持っていたフォークを地面に落としてしまう。




「“続き”は“続き”だよ。ほら、顎上げて?」




そう言い先輩は私の肩にまわしている腕を解き、顎にそっと手を添える。
先輩の仕草や表情が、すごく大人っぽくて私はドキドキしてしまう。




(えっ、え、なに、もしかして、もしかしなくても、キ、キ、キス!?)




「くぁwせdrftgyふじこlp;p」




もう自分でも何を言っているか分からない。
目を閉じてゆっくりと顔を寄せてくる先輩。
私の心臓は爆発寸前だった。




「ま、待って下さい!!!」




私が大声を出すと同時に、こちらに迫っていた先輩の顔の動きがピタっと止まる。




「…ん?」




「あ、う、えとあの、私まだ…こ、心の準備が出来てないので…」




ドモりすぎてうまく喋ることが出来ない。
私は消えてしまいそうな声を振り絞って先輩に伝える。




「…」




先輩は私の話を黙って聞いてくれている。
もうひと踏ん張りだ。頑張れ私。



「その…明日…あ、明日なら………ス…しても…いいです…」



そう言い終わると私は下を向いて俯く。顔から湯気が出そうなぐらいなので、きっと私の顔は真っ赤になっているだろう。
もしかしたら声が小さすぎて所々聞こえなかったかもしれない。

先輩は目を斜め上の方に向け何か考えているような顔をして、そして頷きながら私を見た。




「…うん、わかったよ」



どうやら私の言葉は通じていたらしく、そう言うと先輩は私からそっと離れた。




「さ、食べちゃおっか。練習もしなきゃいけないしね?」







その後の練習の事はあまり良く覚えていない。
ただ、私はいつもと違う先輩にずっとドキドキしっぱなしだった。













次の日の朝、私はいつもより遅めに家を出た。
何でかって?それを聞くのは野暮ってやつである。
私は唇にリップを塗る。うん、準備万端だ。後は登校してくる先輩を待つだけ…。



「あ~!あずにゃんおはよぉ~♪」



(来た!)



私は蔓延の笑みで、後ろから来ているであろう先輩の方にクルッと体ごと振り返る。




「あっ!唯せんぱ……い?」





そこには、髪は寝癖でピョンピョンと跳ね、口の横に食べカスを付けている唯先輩がいた。
おまけに昨日無かった黄色いヘアピンが復活している。



「…」




「どしたの~?」



あの食べカスはなんだろう…白くて丸くて…。
まぁそれはどうでもいい。今一番気になるのは――



「あの…先輩。そのヘアピン…」



「あ、これねっ!憂が昨日新しいの買ってきてくれたんだよ~。やっぱりこれ付けてないとね~♪」




気付いてくれたのが嬉しかったのか、先輩はニマニマと笑いながら得意げに喋っている。
私はあんぐりと口を開け、そんな先輩を見つめる。




(憂…余計なことを…)




私がボーッと放心していると、先輩は何か思い出したようなリアクションを取りこちらに近づいてきた。




「あ、そうだった!確か今日、ちゅーしていいんだよね?はい、あずにゃんむちゅちゅー♪」




そう先輩は言うと、目を閉じ「ん~♪」と唇を突き出しながら迫ってきた。
私はそんな迫ってくる先輩の体をサッと避ける。




「嫌です!駄目です!昨日言ったことは無しです!」




「えええーー!?なんでー!?」




「自分で考えて下さい!」




そう先輩に言い放ち、私はスタスタと前に歩き出す。




「ぐすん…あずにゃんが急に冷たく…ぐすん」




まだ後ろにいる先輩は、その場に座り込んでメソメソと泣いていた。




(はぁ…まったく…)




「…先輩、顔上げて下さい」




「ぐすん…んぅ~?」



私の声に顔を上げた先輩は、上目遣い&潤んだ瞳で私の事を見つめてきた。
私はそんな先輩の唇に顔を落とす。




「ちゅっ」




「!」




顔を離し、唇に付いていた食べカスを飲み込む。
どうやら先輩の朝ごはんは食パンだったみたいだ。




「あずにゃん…」




そんな事を考えていたら、先輩はじーんとした顔で私の名前を呼んだ。




「か、勘違いしないで下さい!食べカスが付いていたんで取ってあげたんです!ほら早く学校行きますよ、遅刻しちゃいます!」




私は自分のした行為に今更ながら恥ずかしくなり、先輩を置いて早足で歩き出す。
さっきまで泣いていたはずの先輩の顔は、もう笑顔になっていて。
ニコニコしながら私の隣まで駆けてくる先輩。
そんな先輩が早く追いつけるようにと、ゆっくりと早足で歩く私。



昨日の大人っぽい唯先輩ももちろん素敵だったけど、結局、私はどんな先輩でも大好きなんです。






fin♪






ここまで読んで下さりありがとうございます。
この【いつもと違うあなた】は「ヘアピン」を題材にして書いてみました。少しパロディチックすぎましたかね…。
イケメン唯(ヘアピンなし)の方は、二期アニメ新EDの唯を想像して読んで下さると良いと思いますw
あの唯は反則ですよね…。あずにゃんがメロメロになるわけです。

いつもの如く誤字・脱字見つけた方は指摘して下さると嬉しいです♪
ではでは!

| 【いつもと違うあなた】 | 12:43 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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【痣 @後編】

【痣 @後編】



~15分経過~





「はぁ、はぁ…ぺろっ…はぁ…ぺろぺろ…はぁ…ぺろ…ちゅぱっ…ちゅっちゅっ…はぁ、はぁ…」





痣を舐めさせてから、結構時間が経った。
呼吸が乱れてきている梓ちゃんには疲れが見える。




(そろそろいいかな)





「よく舐めたね、えらいえらい」



私はそう言いクルッと身体を梓ちゃんの方に向ける。




「ちゅぱっ…ふぁい…」



頭を撫でながら梓ちゃんの顔を見ると、眼はとろんとしていて赤くなっており、頬も真っ赤に上気していた。




「…前の方も舐める?」




「!」




梓ちゃんは顔をさらに赤くさせコクコク頷き、私のお腹に抱きついてきた。




「れろっじゅる…ぺろっ、ぺろっ、ちゅっ…ちゅぱっ…」




ネットリとした梓ちゃんの舌が私のお腹を吸い付くように這い回る。
私はそんな彼女をじっと見つめ、見下ろす。
梓ちゃんはすごい厭らしい顔をしていた。





「ぺろぺろ…ちゅっ…あ、あの…唯先輩…」





梓ちゃんは舐めるのを一旦止め、私の名前を呼びながら見上げる。




「あずにゃん、先輩じゃないでしょ?」




また私は低い声で梓ちゃんに命令をする。
梓ちゃんは目を伏せた後、しぶしぶと顔を上げて可愛い小さな口を開いた。




「………………ご主人様」





「よく言えました♪何?あずにゃん」





「あの…も、もっと…ご、ご主人様が欲しいです…」


小声でそう言って、彼女は真っ赤になっている顔を地面に向けた。
梓ちゃんはさっきから太股を擦り合せてモジモジとしている。



やっと“お願い”をしてきた。
私は心の中でほくそ笑み、ニッコリと梓ちゃんに笑いかける。



「もっとシテ欲しいなら、ちゃんと猫に成りきらなきゃ♪」



「え…?」




梓ちゃんは不思議そうな顔で私を見上げた。




「あずにゃん、今のあずにゃんじゃ何が足りないと思う?」




私は梓ちゃんに問題を出し、鞄が置いてある場所まで歩く。
その間、梓ちゃんは眉をしがめながらうんうんと考えていた。



「………猫耳…でしょうか」




「ぴんぽ~ん!半分正解 ♪」




私は鞄からサッと猫耳を取り出し、梓ちゃんの頭に乗せる。



「…後はこれだよ」



そう言いながら、私は鞄の中から一緒に取り出した、尻尾付きのアナルバイブを梓ちゃんに見せる。



「!?」



梓ちゃんはこれからされる事を想像したのか、不安と期待で顔を赤らめた。




「ほら、自分で入れて?」




私は梓ちゃんにバイブを差し出す。
でも梓ちゃんはまだ少し恥ずかしさが残っているのか、眼を泳がしながら立ち尽くしていた。



「あぅ…」




「それとも…入れて欲しいの?」




私はそんな彼女の耳元に甘い声で囁く。




「!!!…じ、自分で入れます!」




耳に手を当て、梓ちゃんはそう言うと私の手からバッとバイブを抜き取った。
そして手に持っているバイブを見た瞬間、そのままの状態で固まってしまった。



「入れてるところが私によく見えるように、そこの椅子に座って?」




「………」




私は動かなくなってしまった梓ちゃんを押し、椅子へと導く。


梓ちゃんは頭が回らないのか、素直に椅子に座り、ゆっくりと足を開き、私に見えるように腰を上げた。
この姿勢は…あれだ。M字開脚だ。



私はじっくりと梓ちゃんのアソコを見る。



「あれ?すごい濡れてるね。…私の汗舐めてただけで濡れちゃったんだ?」



そう言い私は梓ちゃんの耳の穴の中にふぅ~と息を掛ける。



「あ…ぁ…」



梓ちゃんはフルフルと身体を震わせて、私の事を熱い目で見つめてくる。
その眼の中には私しか視界に入ってないみたい。


完全に堕ちたみたいだ。




「ほら早く尻尾入れて?ちゃんと見ててあげるから」



バイブを持っている小さい手を掴み、アナルまで導いてあげる。
梓ちゃんのそこはバイブを当てられて、期待している様にヒクヒクとさせている。




「…んっ… んん…くっ…!あっ!?…くはぁっ…はぁっ…はぁ…」




太いバイブが梓ちゃんの中に飲めり込まれていく。
すると最後まで入ったみたいで、バイブの部分が見えなくなり、本当に梓ちゃんに尻尾が生えているみたいになった。
入れ終わった梓ちゃんは、苦しそうな顔をして額から汗を吹き出している。




「奥まで入ったね、えらいえらい。それじゃ約束通り“シテ”あげる」




私はそう言い、バイブの振動スイッチを入れた。



ヴヴヴヴヴヴヴ…



バイブは低いモーター音を立てながら、小刻みに梓ちゃんの中を掻き回す。
バイブが激しく穴をピストンをするたびに、付いている尻尾がブンブンと振り回り、まるで喜んでいるみたいだ。



「にゃあぁ!?あああああぁぁっあっっ!…んっ…はぁ…あっ…はぁ…」



梓ちゃんは、身体を仰け反らせてビクンビクンと痙攣をする。
バイブの刺激で簡単にハテてしまったみたいだ。
私は振動スイッチを止める。



「軽くイっちゃたね。でもまだ終わりじゃないよ?」



私は膝立ちになり、梓ちゃんのアソコに顔を近付ける。
梓ちゃんのアソコは、むあっと甘酸っぱいエッチな匂いがした。




「ぁ…‥そ、そこは…」



指で梓ちゃんの花びらをくぱぁ…と広げてみると、とろとろと愛液が流れ溢れ出てきた。
私はその光景に我慢が出来無くなり、ゴクリと唾を飲み込む。




「あずにゃんのここ、すごいトロトロ…。舐めとってあげるね」



舌を使い、ワレメに沿いながら下から上に舐め上げる。
梓ちゃんの愛液は甘くてとっても美味しかった。
私はもっと梓ちゃんの味を味わいたくて、何度も何度もワレメに舌を這わせて愛液を舐めとる。




「あぁあっ!いやっ!…ふぁっ…きたなっ…あっ…」




「ぺちゃ…じゅるっ…あずにゃんのおしる、おいひーよー…ぺちゃ、ぺちゃ…」




そう言いながら、私は膣の入り口周りをぺちゃぺちゃと舐め、梓ちゃんに刺激を与える。




「あっ…せ、せんぱ…そ、そこ気持ちい…あはぁ…あんっ、んくっ…」




「今は先輩じゃないでしょ?」




私は花びらの中をチロチロと舐めながら、梓ちゃんの太股の裏をパシッと叩いた。




「ぁあああ゛あ゛んっ!!」




お尻を叩いた途端、梓ちゃんは声を荒げてビクッビクッと身体を痙攣させた。
また軽くイッてしまったようだ。
梓ちゃんの口からはだらしなく涎がだらだらと垂れている。




「お尻叩かれてイっちゃったの?…あずにゃんは悪い子だね…」




私はそう言いながら、梓ちゃんの口の端から垂れている涎を舌で舐めとってあげた。




「ぁ…はぁ…はぁ…はっ…ごしゅ…」




梓ちゃんは息も絶え絶えながら、私の瞳を見つめている。




「…ん?」




真っ黒でサラサラな彼女の髪を撫でながら、私は優しく梓ちゃんを見つめ返して返事をする。




「……ごしゅじんしゃま…もっと、シテ下さい…」




「…」




私は何も答えず、チュッと唇に軽くキスをし、ぷっくりと膨れている梓ちゃんの陰核を指でクリクリと捏ねくり回した。
ゆっくりと回すように弄るたびに、梓ちゃんのアソコは厭らしい音を奏でる。



クチュ…クチュ…クチュ…クチュ…




「やあぁぁぁ!?そ、そこは…お豆はだめです!気持ちよすぎて…あふっ、イ、イク…あっ、あっ、またイッちゃ、あぁああイッちゃうよぉ…」




梓ちゃんの顔を見てみると限界に近いみたいだ。
(そろそろかな)と思い、私はアナルバイブのスイッチを再びONにし、赤く腫れているクリトリスを指で摘まんでキュッキュッとシゴき、もう片方の手で膣の中に指を入れ激しく掻き回した。




ヴヴヴヴヴクチュクチュクチュズポズポズポズポ!



「あっ!?あっ!?イ、イッちゃう!イッちゃう!あっ、ゆいしぇ‥ぱ、イッちゃあああぁぁあああああ゛あ゛!!??ああぁあぁ…ッ……!?ッ…!?んっ…はっ、はぁ…はぁ…」



梓ちゃんはアソコからピュッピュッと潮を吹き出しながら何度も身体を痙攣させてイき、グテっと椅子の背もたれに倒れるように寄り掛かった。




「可愛い…あずさ…」



私はそんな彼女の唇にキスをする…が、反応がない。

顔を覗き込むと、梓ちゃんは眼を閉じて眠っていた。

眼の端には涙が伝った跡がある。

梓ちゃんは軽く失神してしまったみたいだ。




「酷い事してごめんね。梓が恥ずかしがり屋なのは知ってるよ」




私は意識の無い梓ちゃんの身体をギュッと抱きしめる。




「…でもあんまり飼い主に噛み付いちゃ駄目だよ?私が梓のご主人様なんだから…ね?」




今は聴こえているはずのない彼女の耳元で、私はそっとそう囁いた。








fin♪








ここまで読んで下さり有難うございます。

これ書いててちょっと笑っちゃいましたw
どんだけ私かっこ唯が好きなんだとwww
まだブログ始めたばっかりなので作品は少ないのですが、かなりの確率でかっこ唯!な気がしますw
次は可愛い唯ちゃん書きますねw

ではでは!

| 【痣】 | 12:38 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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